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2007年05月21日
●第1062話 『大子の禅会にて』
花無心招蝶 花は無心にして蝶を招き
蝶無心尋花 蝶は無心にして花を尋ねる。
花開時蝶来 花 開く時、蝶来たり、
蝶来時花開 蝶 来る時、花は開く。
吾亦不知人 吾れ、人を知らず、
人亦不知吾 人、吾れを知らず、
不知従帝則 知らずして、帝の則に従う。
昨日の活人禅会の開枕後、薬師堂での独坐の折、たどたどしい飛び方の蝶を見た。ここで“大悟”とくれば洒落の効いた絵に描いたような禅会なのだが、未熟者故の悲しさから、そうは問屋は卸してくっれなかった中で、ふと良寛さんの漢詩が口を付いて出てきた。考えてみれば当然かもしれない。過去、何回と無く『慧智坊の一筆説法』に書いたものだ。
蝶は歩けないが飛べる。人は飛べないが歩ける。花は期が熟せば笑い、蝶を招き、蜂を招き、人の心に潤いを与える。しかも、無心にだ。只、今その時の環境を全面的に受け入れ、工夫をしながら文句も言わずに黙々として生きている、人間以外は皆同じ。
それに比べて、痛いの熱いの辛いのと、己の病魔如きで右往左往する己としては、禅坊主失格だ。そう思った瞬間、己の連想系は自動的に太宰治の人間失格の中で主人公が心の中で呟いた「あざむき合っていながら、清く明るく朗らかに生きている、或いは生き得る自信を持っている・・」という一文が思い出され、同時に、「何とも単純な己だろう。お前は此の世で最も厄介な奴だ。“あるべきよう”と生きてはいるし、生きる事への執着も大きくは無が、すべき事を残して去るのは忍び難いな~」という思いが心底から聞こえた。
こんな情けない禅坊主が、人の心を受け容れられるだろうか。しかし、こんなチッポケな事であれ、地球の体力が減衰しているということであれ、天変地異であれ、全ての現象は自然の法則に従い、それを知っていようと、知らなかろうと、不知は許されずに従っている。
自然を征服しようなどという考えは愚の骨頂である。人間も山川草木も自然の一部。受け容れつつ適応し工夫して生きるのが真理。今日・此処での己の心は一瞬の現象。邪心・有心であれば苦しみ、清心・無心であれば、全て敵うのが自然の摂理。真理。
さて、参加者諸君は、坐れたかな?。
一日一生 慧智(070521)
『願以此功徳 普及於一切 我等與衆生 皆共成佛道』
★大阪から飛び入りのEさん。無事に帰りついたかな?
投稿者 echi : 2007年05月21日 20:15
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