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2007年05月03日

●良寛和尚の心、一休和尚の心

■良寛さんは、新潟の豪農の出身で18歳で出家得度し修行の後、大忍国仙の法嗣となり、歌人・詩人・書家として大愚良寛という法名で18~19世紀を無欲恬淡に草庵に住して、庶民と子供とともに淡々と清貧を生きた高邁深遠な境涯の曹洞宗の禅僧。
■一休さんは、天皇所縁の出身で、一休 宗純(いっきゅう そうじゅん)という法名で、臨済宗大徳寺の47世を経て15世紀を飄々と生きた禅僧で、『洞山三頓の棒』という公案に対し、「有漏路(迷い)より 無漏路(悟り)へ帰る 一休み 雨降らば降れ 風吹かば吹け」と応じて境涯を示し、伝わる話では、1420年のある夜、カラスの鳴き声を聞いて、俄かに大悟したとあるも師からの印可を断り詩人·狂歌·書画を残しつつ風狂の生活を送った。
 さて、この二人、曹洞宗の良寛和尚と臨済宗の一休和尚の似て非なる人生から何を学ぶかは、各々によるが、“捨てるべき荷物”が多ければ多いほど、捨て去った時の爽快感は筆舌に尽くせないだろうというところだ。荷物は“苦楽一如”苦と楽は紙の裏表。財産であれ、家柄や学歴、地位や名誉であれ、欲望であれ何でも良いが捨てるべきものは大きい方が修行は楽しい。何故か。守るものが無い者が、守るものを持つ者より安らかの実感が大きいからである。私有から共有へ。物から事へ。有から無へ。何か感じませんか?
■良寛さんの漢詩から
言語常易出    
理行易常虧    
以斯言易出    
逐彼行易虧    
弥逐則弥虧    
弥出則弥非    
油救火聚弥    
都是一場凝    
■慧智の読み方
言語は常に出(いだ)し易く
理行(りぎょう)は常に虧(き)け易く
斯(こ)の言の出し易きを以て
彼(か)の行の虧(か)け易きを逐(お)う
弥(いよい)よ逐えば則ち弥よ虧け
弥よ出せば則ち弥よ非なり
油をそそいで火聚(かじゆ)を救わんとす
都(すべ)て是れ一場の凝(きょう)のみ
■慧智の解釈
理屈を捏ねることは簡単だが、理屈通りに行動するのは難しい。人は安易な言葉に頼って、行いの不足を補おうとする。
しかし、補おうとすれば、するほど底が見え、伝えようとすれば、するほど伝わらない。つまり、火を消そうとして油を注ぐような馬鹿げたことだ。
耳が痛い。しかし、これは良寛さんであって一休さんではない。

■一休さんの漢詩から
児孫多踏上頭関、一箇狂雲江海間。
大会斎還在何処、白雲蒸飯五台山。
■慧智の読み方
児孫の多くは上頭の関を踏めど、一箇の狂雲は江海の間。
大会斎(だいえさい)は還た何処にか在り、白雲は飯を蒸す五台山。
■慧智の解釈
伝統や系譜を肩にかけた頭でっかちの“お偉い”先輩弟子が公案を通るが、頭を捨て去り融通無碍に生きてこそ本物である。
耳が痛い。しかし、これは一休さんであって良寛さんではない。

一日一生 慧智(070503)
『願わくは、この功徳を以って普く一切に及ぼし、我らと衆生と皆ともに、仏道を成ぜんことを』

投稿者 echi : 2007年05月03日 03:31

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