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2005年06月17日

野狐禅和尚の“経済”説法『経国済民そして分相応』 №779

久々に『政策金融委員会』に出席し、背筋が寒くなったので、内職のようにこの原稿を書いている。経済は、経国済民(くにをおさめ、たみをすくう)を語源とすることは衆智であり、経済≠金ではない。しかし、文化や教育を弄るには結果が出るまで時間がかかるので、政府や役人は、ついつい“金”を弄って仕事をしている幻想に陥る。困ったものである。
今日の日本の経済状況は、分不相応を追いかけたバブルの崩壊で1400兆円の“泡”である資産価値を喪失したが、1929年のアメリカ大恐慌の再来はなかった。理由は単純で、政府が無智ゆえに膨大な財政出動をしたからだ。つまり、無智に無智を重ねた偶然が恐慌を結果的に起こさなかっただけなのだ。先ず、それを記憶しておいて欲しい。現在の日本経済は、一部には“長期デフレ”とも、“構造問題”とも言われている。しかし、私は、米国拝金イズムという“病”にかかりながら、ホメオスターシス(恒常性維持力)とプラセボ(財政出動)の相乗効果で、瀕死の重傷でありながら基礎体力(実業主義→米国型虚業主義の反対)で何とか命を長らえている内に、基礎代謝を落として、健康を回復しつつある状態と見ている。そもそもインフレとデフレを区別しているのは何か。金(マネー)の仕入れと販売の関係値で、長い刀には長い鞘、短い刀には短い鞘という本来のスタイルを逸脱し、長い刀を短い鞘、短い刀に長い鞘という『分不相応』をおかしいと思わない連中、ないし悪辣な“刀鍛冶”とそれを取り巻く商人、悪代官の指標で、本来の実質重視経済を基調とする日本では不要な数値なのだ。英国や米国の嘗てのインフレは22%という短期金利を仕掛け、転んでも“ただ”では起きまいとする海賊の頭と、山賊の頭が“策士が策に溺れた結果”であり、謹厳実直で素直な仏教徒である大半の日本人は『晴耕雨読』の生き方を思い出し、質実剛健に徹したから恐慌にならなかっただけで、本来、経国済民を司るべき政府の力ではない。今、未曾有のゼロ金利が長く続いている。それにも関わらず、資金の流通量は増えない。言い換えれば、政府の中枢にある無智な経済学者が“構造改革”などと騒いで、資金の供給力を銀行に付けさせたところで“借手”は増えない。増えないから仕入・販売ともに金利は上げられない。エコノミストの中には日本国内は需要不振だと言うが、いつに比較して需要不振といっているか。『今』を否定し、バブル時を肯定しているという心理が背景にあるからだ。
話は少し変わりアナロジーになるが、チョットだけイメージして欲しいのは、『日本人の平均身長が150センチになれば、現在の50%を下回った食料需給率は解決する』ということ。江戸時代、食料需給率は農業技術が低いし人口も少ないが100%だったのだ。つまり分相応の大きさで生きることから背伸びをし、贅沢に暮らすことを欧米に教え込まれた結果の今日で、“経済問題”の本質は其処にあるのだ。言い換えれば、“分相応・質実剛健”そして『知足』という“日本の心”を思い出して暮せば、現在の経済状態でも十分に“豊か(餓死者を出さず、皆仲良く慎ましく安心して暮して行ける貧富の差の小さく妬みや恨みを抱くことのない社会)”なのだ。
さて話を戻そう。大隈先生の開校した立派な学校の縮小再生産が生んだ鬼っ子で、経営の“け”の字も知らず“日本の心”も知らないアメリカ拝金教の信徒である政治屋さんになった経済学者は、銀行屋に向かって「信用力のある大企業で素晴らしい企画を持っている会社が沢山あるのに銀行がカネを貸さないのは訳が解らない」と言うが、それは世間知らずの弁で、現実に資金の需要があれば、借入れは増え、仕入と販売が市場原理に連動して貸出金利は上がるのが当然。しかし、現実は違う。その証拠に資金需要があり、邦銀が貸さなければ、ハゲタカ銀行が貸しまくる。しかし、そんな気配はないし、邦銀・外銀とも貸出し量は下がったまま。其の上、外銀の対法人シェアは落ち始めている。つまり、T大臣は世間が見えていないのだ。
常識の目で、今を見てみよう。企業はゼロ金利にもかかわらず借金をどんどん返済している。何故?。受容性は高いが、保全性の高い経営者も国民も『マネーストレス』から学習したからだ。バブル絶頂から見れば株価が6割、都市不動産は8割も下落した。勿論、本来なら株価は9割下落でも不思議ではなかったが、“持ち合い”で救われた。覚えておきたいのは、政府が持ち合い解消を奨めている以上、“次”は耐えられないということを皆、本能的に悟っている。だから、金は借りない。しかし、現実問題、今でも中小企業の『不動産』は怪しい。簿価と実勢には全国平均で8対1。そして“借金”はそのまま残っている。日本の企業の9割が中小零細であることは衆智。つまり、株式会社日本のBS(バランスシート)は危機的状態に変わりない。しかし、本業に回帰してPLは健全、CFも大きな問題は無い。しかし、BSは“債務超過”だった。・・・これ修復するため日本中の企業が「早く借金を返そう!」と大合唱。そして、大企業から健康を取り戻した。しかし、中小企業はまだまだ。そして現実はバランスシートが綺麗にならないから、それまでは例え“ゼロ金利”でも借金はしないし、銀行も同様に貸さない。銀行が貸して万が一にも銀行のBSが悪くなれば破綻し、ハゲタカと其の手先であるT大臣に潰される。それが怖いのだ。現実に、日本の銀行には、今も何が起きても不思議ではない。世界的格付機関で合格を示す「ABC」をとっているのは銀行は一行もなく、揃いも揃って「DE」ばかり。学校の成績なら“2”と“1”ばかり、進級なんか出来ない。
 一方、企業の借金返済が昨年から急速に進み、有利子負債残高は大幅に減少しバブル前の86年水準を回復。また、恒常性維持力により都市圏での土地価格の下落も止まり、バブル崩壊の主犯である団塊世代の整理が進み、バブルで痛い目にあっていないホリエモン世代が、禁断の木の実に幻惑されている。つまり、07年あたりから、病気が再発し、先ずは熱があがり、浮かれ、疲れて、悪寒が続き、悪寒に慣れて、それなりの暮らし方を発見するだろう。正に、景気は循環なのだ。
 そういえば、小泉公約の「30兆円枠」は今何処に?まあ、今の政策をあと2年続ければ、大半の大企業は元気になりMAやMBOを進められ、日本の心を完膚なきまでに捨てた米国カブレの企業ばかりになるだろう。果たして、それが良いのか悪いのか。それでも多きな課題は残る。そのキーワードは『石油・中国・ドル・輸出とアメリカの一人横綱』。車社会のアメリカ、これから車社会にある中国。漁夫の利を狙うEU。そして世界が狙う日本の外貨。心臓が政府・日銀とすれば、中間ポンプが銀行というイメージで“経済”を国民と文化を無視して動かしている限り、日本の危機は去らない。今、日本に必要な改革は『日本式文化大革命』なのだ。ホリエモンに老子・孔子・菜根譚を読ませ、六本木ヒルズ族に坐禅をさせて週末は農業・林業に参加させることだ。
つまり、今の日本に本当に必要なのは、『経済改革・郵政改革・・』なんかより『教育改革』と『宗教心(禅)』なのだ。
 会議が終わるので、内職もここまで。
★★明日から活人禅会です。寺で待っています★★
慧智(050617)

http://www.g-shosai.jp/museumf/mukongetu.html

投稿者 echi : 2005年06月17日 08:31

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