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2005年06月15日

野狐禅和尚の辻説法『見掛けと実体』 №777

 怖そうに見えて優しい。強いように見えて弱い。高そうに見えて安い。堅いように見えて脆い。・・・・。今日、時々法話を頼まれて伺うグループにメンバーの一人と電車でバッタリ会った。その時の会話「衣を着ていると優しそうに感じたんですが、スーツ姿だと“偉い経営者”って感じですね、と話しかけられた。「そんなに違いますか?」と返すと、「ぜんぜん違う」と。「孫にも衣装ですかね?」。「どちらが似合いますか?」。「どちらとも言えないわ」。「じゃ、どちらが好きですか?」。「衣かな・・・」。「じゃあ、あなたは強い人より優しいが好きなんですね」というと、「何故、解るんですか?」と。「あなたは言いましたよ」と返すと、「不思議な顔をしている」。理由はこの次に会った時に話してあげますが、先入観なく聞いたり見たりする心が出来ていると、相手の心は解るですよ。「スゴイ、心理学者みたい」と。「心理学者なんです」、「じゃまた」と二駅間の会話。
 さて、先入観という脳の処理メカニズムは便利ではあるが不便でもある。そもそも先入観は脳が情報処理をエネルギーの消費を抑えつつ高速で行なえるように大脳辺縁系が持つ既得的な『経験能力』。その下位構造が『反射神経』で、上位構造が『先入観』。しかし、便利な機能は必ず“不便”も伴います。それが“生き物”なんです。なお人工物は、それに挑戦しているんです。小さくて、軽くて、早くて、大きい・・・ノートパソコン。加えて頑丈で安くて綺麗で・・・。人間って欲張りですね。私なら、これに加えて電池が48時間とお願いしたい。
 さてさて本題。『見掛け』とは先入観の為せる業。ところが“実体”も先入観という評価
で、前出の『優しい衣姿、偉く見えるスーツ姿』から類推して欲しいが、“私”の実態は?
活人諸君は、もう私の公案が解りましたね。“実体”と書けば“根底”、“実態”と書けば“在り様”。全ては“現象”であり“実体”など無いというのが“実態”。それが先入観であり夢、幻。
 諸兄!。見掛けとは如何に???。晴耕雨読。今日の東京は雨。早々に帰宅して坐ってみよう。湿度が高い状態と雨との関係は?濡れると湿るのと違いは?人間は思った事を信じている動物。安定した考えが“思い”の源泉。私は優しいから、公案も易しい。さて、この言葉は正しいか?
今週の禅会までには、一転語を用意してくださいね。
慧智(050615)

投稿者 echi : 2005年06月15日 08:32

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