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2005年03月22日

野狐禅和尚の辻説法『下載清風(あさいせいふう)』№707

『下載清風』という禅語は、碧巌録45則に由来するので、詳細は碧巌録を読んで味わって欲しい。
 さて、『下載清風』の表面的な意味は、積荷を降ろした船が滑るように軽快に帆走している様子を描写している。考えてみれば、我々も重い荷物をヨタヨタと担いでいる状態から、荷物を下ろした状態を想像すれば、清々として風に乗って歩けるというイメージになる。これを禅語風に解釈すれば、苦の源泉である“迷い”や、その結果としての不安という“重荷”を下ろせば、清々した気分になれるし、もう一段踏み込んだ言い方をすれば“悟り”すらも捨ててしまえば、尚更、軽快に風に乗って大海原を悠々と帆走できるというもので、出典では、『下載清風』に続く句が「誰にか付与せん」とあるので、“伝えようも無い”という“爽快な気分”を語っているのだろう。言い換えれば『あらゆる柵や先入観、気負いなどという不安定な感情や気分、そして其の源泉となる分別の全てを捨て去った気分は、言葉では言いようのないもので、それこそが“無心”という最高の心の状態だと教えている禅語だと私は感じている。
 最近、勉強好きな定年退職者が町に溢れている。言い換えれば、重荷を買いに走っているように感じる。それまで守るべき対象であった地位も名誉も資産も収入も捨て、守るべき、と思う一切の気持を捨てて、年金暮らしが出来れば、この世は、そのまま浄土だろう。しかし、浄土に暮す人ならでは“何か”が・・・・。
慧智(050323)

投稿者 echi : 2005年03月22日 16:44

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